小児はりの適応症
慢性中耳炎
38度以上の熱が出て激しく泣く時は、急性の中耳炎のことが多いので、耳鼻科に行ってみて下さい。抗生剤の投与と、場合によっては、 鼓膜を切開して膿を出すこともあります。
* 滲出性中耳炎
中耳腔(鼓膜の内側)に滲出液(分泌液)がたまり、聞こえが悪くなる病気です。昔から有ったのですが、検査方法の発達と抗生剤の多用、アレルギー体質の増加などで、近年、非常に多くなりました。
原因はいろいろと考えられています。
一つは、急性中耳炎の時に抗生剤を不適当に使用した為、耐性菌ができて、慢性の炎症になっているという説です。この場合は滲出液をとって培養し、その菌に耐性の無い抗生剤で、改めて治療します。しかし、ほとんどの滲出液は無菌の事が多く、抗生剤で治せるものは、ごく一部です。
二つ目は中耳腔が陰圧になって、まわりから滲出液がにじみ出てくるという説です。中耳腔は耳管によって鼻腔とつながっていて、空気が中耳腔に出入りすることによって、鼓膜の内外の気圧を一定に調節しています。ところが、副鼻腔炎やアデノイドの肥大などで耳管が閉じてしまうと、空気が入らなくなり中耳腔が陰圧になってしまうのです。しかし、アデノイドの切除したり、鼓膜にチューブを挿入して空気の流通を確保する為の手術をしても、治らないものが少なくありません。
あまり、いじくりまわさない方が、かえって良いと言う耳鼻科医も多く、大部分は、放って置いても十歳くらいまでには治ります。また、硬いものをよく噛むと、耳管が開いて、空気が流通しますから、食事は少し歯ごたえのあるものにすると、顎の発達のためにも良いと思います。積極的には、風船を膨らます事を、遊びに取り入れるのも良いでしょう。
但し、難聴がひどくなるような場合には、何らかの治療が必要です。滲出性中耳炎は「鍼灸」の適応症で確実な効果があります。
お家ではこんなことに気を付けましょう。
原因の多くは、連鎖球菌やブドウ球菌などの化膿菌で、耳の奥の耳管を通って侵入し、中耳に炎症を起こします。乳幼児は耳管が未成熟の為、 太く短いので、風邪を引くとすぐなり易いのです。
風邪の時、鼻を強くかまない様にしましょう。
急性中耳炎をきちんと治さなかった場合や、風邪をひく度に中耳炎にな っていると、慢性化して治りにくくなります。最近では最初から慢性の形をとるものも増えています。いずれにしろ繰り返さない事が大切です。難聴になったり、ひどい時は髄膜炎になることもあるからです。
近年、問題になっているのは抗生剤の効かない難治性の慢性中耳炎です。 肺炎球菌による中耳炎の80%は、耐性菌の為、抗生剤が効かないとい う報告があります。識者は、抗生剤の使用を極力ひかえる様、警告しますが、治療現場では、なかなか改まりません。抗生物質先進国の北欧で は、中耳炎に対する抗生剤の投与を極力減らしています。
東洋医学から見ると、乳幼児の中耳炎は実に治し易い疾患の一つです。 繰り返さない為に『鍼灸』を、ぜひ取り入れて下さい。家庭でできる事も沢山あります。