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妊娠中の疾患
妊娠中のあらゆる疾患に対して、「鍼灸」は良い治療法だと思います。母体と赤ちゃんに副作用なく、安心して治療を受けられます。

産婦人科医の石野信安先生は、私の師のお一人でもありますが、多くの“三陰交”の臨床実験を行い、その素晴らしい効果について言及し、世界の鍼灸界の定説になっています。

“三陰交”はあらゆる婦人科疾患に有効です。(月経のトラブル・更年期・卵巣や子宮の疾患・不妊症・妊娠中の諸疾患等)しかも、「自分でお灸」という安価で手軽な方法で、できるのです。特に、「安産の灸」としての三陰交は是非、世界中の妊産婦の方に知って欲しいと思います。

胃腸が丈夫な赤ちゃんになるということから、胎便の排出がよく、黄疸が軽くすみ、アレルギーが少ないといえます。 当院では妊産婦の患者さん全員に、三陰交の「自分でお灸」を実践してもらっていますが、その成果を実感できます。

━腰痛━


妊娠中は体重が増えて、姿勢がそっくり返った形になり、腰への負担が大きくなります。また、この時期には、靭帯などの保護組織を緩めるホルモンも分泌されている為、腰痛は起こりやすくなっています。鎮痛剤を使うわけにも行かず、治療は制限されます。腰痛は「鍼灸」の得意分野です。副作用の心配をせずに、安心して治療することが出来ます。しかし、妊娠中に腰痛になるのは辛いことです。妊娠を考えるなら、事前に腰のチェックをして治しておくと良いですね。また、妊娠中はいつもより沢山歩いて下さい。安産と腰痛の予防になります。

━つわり━


妊娠初期に現れる症状で、半月から3ヶ月くらい続きます。においに敏感になり、むかつき・食欲不振・食べ物の好みの変化・唾液過多・頭重・微熱などが主なものです。軽いものまで含めれば、妊婦の80%にみられ、初産婦に多い傾向があります。4ヶ月に入れば、大体収まってきますから、あまり気にせず、なんとか胃に納まるものを食べていれば、心配いりません。

「鍼灸」は、軽いものなら1〜2回の治療で、すっきりします。重い場合には1週間に1回くらい、良くなるまで治療します。しかし、非常に激しい吐き気や嘔吐が頻繁にみられ、体重の減少と脱水がある場合を、普通のいわゆる“つわり”と区別して”妊娠悪阻(にんしんおそ)”といいます。妊娠悪阻は母体にも胎児にも生命にかかわる状態で、入院治療が必要です。

━逆子(さかご)━


逆子(骨盤位)の原因は子宮筋腫・双角子宮・前置胎盤・狭骨盤・羊水過多・羊水過少・赤ちゃんが小さめの場合などがありますが、大部分はこうした異常とはまったく無関係で、原因は分からない事が多い様です。

妊娠中期には、半数近くの赤ちゃんが逆子です。28週位になると、赤ちゃんの頭はどんどん大きく重くなるので、重力に従って自然に頭位になるのが一般的です。逆子のまま出産する人は全体の3~4%程度と言われています。

29週が過ぎても逆子だったら、付記してある「自分で逆子を治す」を実践してみて下さい。31週になっても尚、逆子が治らなかったら「鍼灸」を勧めます。35週を過ぎてしまうと赤ちゃんが大きくなり、回転しにくくなります。遅くても34週目までには来院して下さい。特に問題が無ければ、1~2回で必ず回転します。

回転しないのは、逆子の原因が疾患としてはっきり診断されている場合、へその緒が絡まっている場合、既に骨盤内に胎児のお尻がはまっている場合などがあります。

胎児は普通、36週くらいに骨盤底に下がってきますが、頭が重くなる以前に下がって、頭を上にした状態のまま、骨盤内にしっかりとはまり込んでしまう場合があります。この場合には触って分かりますので、回転しないかもしれない事をお伝えします。しかし、はまり方が緩い場合は回転するので、治療してみる価値はあります。

もし、回転しなかったり、一度回転しても再度骨盤位に戻ってしまう場合は、何か頭を下にしたくない理由があるのではと思います。私の経験では、臍の緒がどこかに絡まっている場合が多く、無理をすべきではないと考えています。それで、当院では、逆子の治療は2回までとしています。

当院では、2回の治療で回転しなかった場合や、冷えが強く下腹部に張りがある場合には、逆子治療の継続と安産の為、“至陰”と”三陰交“に「自宅でお灸」をしてもらっています。「自宅でお灸」の結果、36週過ぎて“頭位”になり、経膣自然分娩をした事例も、少なからずあります。

なお、24週目くらいから“三陰交”の「自分でお灸」をしておくと、逆子になりにくいという報告があります。冷えが取れ、腹の張りも少なくなりますから効果はあると思います。

━風邪━


消化がよくて、身体が温まるものを腹6分くらいに食べて、安静にしていれば、普通の風邪なら3〜4日で治るでしょう。39度くらいの熱でも赤ちゃんに影響することはないので心配いりません。解熱剤は飲まないで、少し様子を見ましょう。あまり長引く様だと、治療が必要です。特に、しつこい咳が長く続く場合には、「鍼灸」が一番です。

━妊娠中の風邪と長引く咳━


妊娠中には、あまり重症の風邪はひかないものです。消化がよくて、身体が温まるものを腹6分くらいに食べて、安静にしていれば、普通の風邪なら3〜4日で治るでしょう。39度くらいの熱でも赤ちゃんに影響することはないので心配いりません。解熱剤は飲まないで、少し様子を見ましょう。

但し、高熱が3日以上続く、吐く、水溶性の下痢、ひきつけ、意識障害など風邪とは別の症状がある時は、救急で病院へ行って下さい。

風邪は治ったのに、咳だけがいつまでも残ってしまう事があります。痰がらみの咳は、痰を出す為に必要で出ているので、無理に止めたりしないで下さい。喉や気管支の炎症が取れれば、自然に収まります。

それでも、この時期に気管支を傷めてしまうと、空咳がずーっと続く様になりますから気を付けて下さい。大声を出したり、夜、果物やアイスが多いと、咳はなかなか止まりませんよ。長風呂も駄目です。

痰が出ない空咳は、一度出ると立て続けに出てとても苦しいものです。腹圧がかかるので心配になります。長引く空咳には”咳止め”はあまり効きません。胸に温湿布をしてみて下さい。それでも続くようでしたら、「鍼灸」を勧めます。

半年も続くような咳も、意外に早く収まります。長引く咳は、鍼灸の最も適応する疾患のひとつです。


「鍼灸」は著効があります。副作用なく、安心して治療できる「鍼灸」は、妊娠中一番の医療です。


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