鍼灸医療とは
鍼灸が効果的な疾患
どんな治療法よりも「鍼灸」が優れていると自負する疾患は「当院の得意科目」で詳しく挙げてますが、ここではその一部を挙げておきます。まず、突発性神経痛があります。

突発性神経痛というのは原因のよく分からない神経痛のことです。これに対して、原因があるものを症候性神経痛と言います。症候性神経痛の原因には、ごく稀に悪性腫瘍などもあるので、鍼灸治療で思ったような効果が出ない時には、精密検査をしてもらう事もあります。

坐骨神経痛、三叉神経痛、肋間神経痛、後頭神経痛、腕神経痛などがあり、全ての神経痛に有効です。 鍼灸は痛みの抑制を得意としますが、現代医療のペインクリニックと違う点は、鍼灸は痛みをとる治療が、そのまま病気の根本を治す治療と一致している点です。鎮痛剤などで痛みを取るだけの治療では、神経痛は何度も再発して持病のようになりがちですが、 鍼灸治療では、根本的に治すので再発しません。

次に頚椎の疾患で腕に痺れがきたもの、夜間痛のひどいものには、鍼が一番です。 手術は、あまり勧めません。 手術して、かえって首肩ががちがちに凝ってしまったり、電気が走るような感覚が出現したり、手のしびれがひどくなったりする事があります。手術後、この様な症状が出た場合には、やはり鍼しかないと思いますが、手術しない場合と較べて、治るまでに時間がかかります。

*脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニヤ、変形性膝関節炎、腱鞘炎、弾発指、五十肩なども、医者にかかっているのに一向に良くならない時は、 鍼灸を勧めます。

痛みの疾患では顎関節症も、良く治ります。口を大きく開けたり、ものを噛んだりすると、とても痛みます。食事が楽しくできないので、精神的にも辛い疾患です。 噛み合わせの問題とか、ストレスによるものとか言われますが、 原因ははっきりしない事が多く、現代医療では治り難い疾患の一つです。

鍼灸では、いじくり回して、こじれていなければ、びっくりされるほど簡単に治ります。こじれてしまった場合は、週に2回程度の通院で、2〜4ヶ月くらいはかかります。ただ、3回目くらいから少しづつ良くなって、だんだん大きなものが食べられるようになるので、気分的には楽になります。また、痛みはないけれども、口が大きく開けられない場合もありますが、こちらの方が治り難いです。

古い捻挫、古傷の痛み、手術後の痛みも、現代医療では鎮痛剤などを処方するしかありません。

命にかかわるわけでもないし、どんどん悪化するわけでもありませんが、日常生活の中では、けっこう大変です。 何回かは深い鍼をしますが、後は自分で患部にお灸をするだけで良くなります。 古いものほど根気よくしなければ効いてきませんが、頑張ればそれだけの効果はあります。

耳鳴りや眩暈も現代医療の苦手な疾患です。 何か器質的な原因のあるときは、まず、それを治さなければなりませんが、特に原因の無い時には鍼灸を薦めます。 耳鳴りは、有ったり無かったりするものは、よく取れますが、固定化したものは難しい場合が多いです。 だんだん大きくなるものに対しては、悪化を防ぎ、現状維持程度の効果はあります。

また、耳閉塞には著効があります。 眩暈は、非常に良く治ります。体質が絡んでいる場合が多く、繰り返し発症するので、社会生活が困難になりがちですから、鍼灸で完治させて下さい。突発性難聴、メニエール症候群などの病名が付きますが、発症後の期間が短いほど効果があります。

妊産婦のいろいろな疾患に最適です。妊娠している時には、腰痛にしろ、風邪にしろ、思い切った治療ができません。薬も飲まない方が良いでしょう。特に風邪の後、空咳が出て止まらなくなる事が多く、腹圧がかかるので、とても心配になります。鍼灸は副作用無く、様々な疾患に対処できます。変わったところでは、逆子の修正があります。これも簡単な治療で実に良く効きます。30週から35週頃が良く回転します。

自然妊娠を望む人、また人工授精や体外受精で着床困難な人の不妊治療に適しています。

現代医学の不妊治療には目覚しいものがあります。顕微授精という高度の技術が無排卵、無精子の人にも子供を持つ可能性を広げました。しかし、多くの苦労の末できた受精卵も子宮内膜に着床しなければ意味がありません。排卵誘発剤による副作用に苦しむ人もいます。鍼灸による不妊治療は母体の健康を第一にします。

小児疾患の多くは自然に治るものがほとんどです。そして、自力で治せば、病気をしながら丈夫になっていく側面も持っています。夜泣き、疳の虫、夜驚症などの病気とはいえない疾患。慢性鼻炎、慢性中耳炎、慢性気管支炎などの薬を多用しがちな疾患。アトピー、喘息、自家中毒などの体質改善が必要な疾患。そして、現代社会のストレスから、すでに肩こり、不眠症になっている子供たちもいます。これらの疾患の中には、家庭で治せるものが沢山あります。鍼灸は、そのお手伝いをします。

他には、疲労の回復、不定愁訴、自律神経失調症、心臓神経症、心気症、不眠症、過敏性大腸炎、アレルギー体質、眼精疲労、 偏頭痛、更年期障害、子宮内膜症、本態性高血圧、掌蹠性膿庖症、円形脱毛症、爪水虫、外反母趾など。

この様に鍼灸医療は上記のような西洋医学が苦手とする疾患に対して高い効能があります。