小児はりの適応症

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夜泣き・かんの虫

小児への鍼治療の様子その1
昔からよくある典型的なタイプの「かんの虫」

特にどこが悪い訳でもないのに、不機嫌で、キーキーかん高い叫び声を あげ、夜もよく眠れない様子でグズグズしているといった症状を呈します。病気ではないので、病院へ行っても処置のしようがなく、お母さんは、ほとほと困ってしまいます。

夜泣き・疳の虫と、ひとくくりに称される事が多い様に、夜間眠れない為に昼間もイライラしている場合が一般的ですが、夜は良く眠れている、また、日中は全然問題がないのに夜は何回も起きて大騒ぎなど、色々なタイプがあります。

これは、どれも小児特有の未成熟からくる心身のアンバランスによる 神経症的症状と思われます。『小児鍼』は、実によく効きます。

治療後、すぐにすやすやと寝てしまう子もいれば、 ニコニコと上機嫌になる子もいます。2~8回くらいの治療で軽快する場合がほとんどですが、特にストレスを感じやすいお子さんは、自宅でお母さんにお灸をすえてもらいます。

小さい頃には、どの子にもこの様な傾向はあります。特に神経質なタイプの子や、自意識の強い子に出やすい症状ですが、これも親からの遺伝的気質であり、別の見方をすれば、感情が豊かで色々な事にたくさん感動できるという、その子の個性です。

あまり気にせず、構い過ぎや甘い物の摂り過ぎに注意し、穏やかでゆったりとした環境を作ってあげて下さい。



小児への鍼治療の様子その2
最近多い、新「かんの虫」

かんの強い赤ちゃんには、いろいろ特徴があります。神経質そうで、少し青白い顔をして、眉間のあたりに青筋があり、髪の毛が、どちらかと言えば濃く、逆立っているなどです。

この様な子の「疳の虫」は、『小児鍼』が実に良く効きます。この子の場合は、本当は眠りたいのに眠れない状態にあるので、『小児鍼』をすると、即、効果が出て、ぐっすりと寝てくれます。睡眠が充分に取れると精神状態も落ち着くので、疳の虫は治まってしまいます。

ところが、最近の赤ちゃんの様子は、少し違うようです。症状は「疳の虫風」なのですが、見た感じでは、全然神経質そうではありません。しかし、キーキーとかん高い声を出したり、昼寝もしていないのに、夜もあまり眠らない状態が続いたりします。

一時間ごとに目覚まして、おかあさんを起こすので、お母さんは大変です。この場合は、睡眠時間が短くても平気なタイプの子なので、『小児鍼』がびっくりするほど効くという訳にはいきません。

昔の赤ちゃんは良く寝ました。おばあちゃんに聞いてみて下さい。眠らないで困ったというのは少ないと思います。

最近、睡眠時間が極端に少ない赤ちゃんが増えています。そして、そのような赤ちゃんは、身体に比べて脳の発達が早すぎるように感じます。脳が欲している刺激の量に比して、与えられる刺激量が不足している状態だと思います。

これは、社会的環境のせいなのか、もっと根本的な、人間そのものの遺伝子レベルの変化なのか分かりません。

ただ、時期を待てば、問題は解決します。言葉が出てくるようになると、一杯おしゃべりして、充分知的好奇心を満足させる事が出来ますし、子供同士で遊べるようになると、いやでも沢山の刺激を受けて疲れるので、眠るようになります。

もし、お母さんが睡眠不足になって、産後の疲れが取れず、育児が楽しめないなら『小児鍼』をして下さい。完全ではありませんが、効果はあります。例えば、一時間おきに起きてしまう状態が、三時間くらいは寝てくれる様になります。

睡眠時間が少なくても大丈夫な子と、眠りたいのに眠れない子の見分け方は、ご機嫌が良いか悪いかです。いつも何となく不機嫌な子は、『小児鍼』で、ぐっすりと眠らせてあげたいですね。

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