お母さんの救急箱
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乳幼児,幼児,小児,おなかが痛い
小さな子が「おなかが痛い」と言う時には、本当に腹部が痛い時と、何か他に不快な感じがする場合とがあります。甘えたい時にも言います。大好きな遊びに誘ってみましょう。そちらに気が行って、元気に遊べるなら、まず心配はいりません。あまり乗ってこない時には、何かしら、具合の悪いところが有るはずです。
おへそを、手の平かドライヤーで温めてみましょう。ほとんどの場合はこれで治まります。激しく泣いて、すごく痛がる時には、もう少し手当てが必要です。
いろいろな場合が考えられます。生後三ヶ月ころの赤ちゃんで、夕方から夜にかけて、原因も無く激しく泣く時は、うつ伏せにしてみて下さい。治まる様なら、腸管に溜まったガスが原因の腹痛です。
少し大きくなった子供の腹痛は、まず便秘を疑います。便秘をしていると、ガスがたまって腹が張り、苦しくなります。子供を仰向けに寝かせ、立て膝でおなかを緩めて軽く探ってみると、左下腹部にころっとした便の塊を触れます。浣腸が早く簡単ですが、急性の虫垂炎・腹膜炎では悪化するので、よく見極めてからにして下さい。
一番良いのは、便秘気味の子には、普段から便通のつく食物を見つけておくことです。プルーン・すりおろしリンゴ・バナナ・ゆであずき・納豆などがあります。朝一番に、水や牛乳を飲むとよく通じをつけますが、おなかの痛い時はよけいに痛くなりますから、やめておきましょう。運動不足でも便秘になります。
食べ過ぎた時も、おなかが痛くなります。これは吐いてしまえば、すぐ楽になりますし、時間が経過すれば自然に治ります。
夏によくあるのは、おなかを冷やしたり、脂っこい物を食べた後に、冷たい果物などを食べると猛烈に痛くなる時があります。前日からの事を思い出してみると、思い当たる事があるはずです。
基本的には、おなかを温める事で対処できますが、軽い痛みの時よりも、充分に温めます。冷たいものをいっさい止めて、温かいおかゆを食べさせて様子をみて下さい。あとは、貼るカイロが良いと思います。低温火傷に気を付けて下さい。熱くするよりも、ふわっと温かいくらいが良いでしょう。
ほとんどの子供は、時々おなかが痛くなります。大抵は熱が無く、一時的で、治った後はケロッして遊んでいます。よく観察していると、どんな時に痛くなるのか分かります。やたらに心配して、子供を不安にしない様にしましょう。
* 心配な腹痛
- 熱がある。
- 下痢便で、血液や粘膜が混じっている。
(赤痢など伝染性の病気) - 食べたものを全部吐いて、激しく泣くとき。
(腸重積、急性腹膜炎、嵌頓ヘルニアなど) - おなかの一部分が、ぷくっと膨れている。(ヘルニア)
- おなかがパンパンになっていて軽く触っても痛がるとき。(急性腹膜炎)
- 急性虫垂炎…乳幼児にはめったに無い疾患ですが、進行が早く、破れて腹膜炎になる事もあります。
元気だった子供が、急に元気がなくなり、お臍のあたりが痛いと言います。
腹痛の原因に思い当たる事が無く、微熱と嘔吐があり、痛みが徐々に強くなって最終的に右下腹部に痛みが出れば、疑いがあります。
只、虫垂炎特有の症状が出ない場合もありますので、痛みがどんどん強くなる様であれば、外科に行ってみて下さい。 - アレルギー性紫班病…2〜10歳の子供に多く、腹性紫班病といわれるくらい繰り返し腹痛が出ます。
特徴は下肢に紫班病特有の出血班が出るので分かります。
このような時は、お医者さんに診てもらって下さい。